~第七章~
第7章:転 機 片足でビヨ~ンと飛び跳ねては、持っているカゴからいつも何かを 落としていく‘カタピヨンが、緑色の紙のようなものを 少年の周りに撒き散らしていった。 何か言っている。 おめでとう、おめでとう、おめで・・・ 「え?たくさんあるぞ??」 少年は、かき集め手に取った。 葉っぱに文字が書いてある。 それはこの世界でいう、お正月用のハガキのようだ。 「あ~、この世界にも届くのか」 この頃、少し冷静さを取り戻していた少年に朗報が飛び込んだ。
バンドデビューします。・・・!? 工工工工エエエエエエエエェェェェェェェェ~!!! 少年の鼓動が高ぶり、久しぶりに木の葉がうれしそうに揺れているのを感じた。 どうやら丸太小屋にて歌の会にも出演しているみたいだ。 「え~っと、次の開催日は・・・」 少年は樹木新聞を‘100年の木にせがんで手に入れていた。 どうやら、どうしてもそこに行きたいみたいだ。 少年の前に、ハット帽子をかぶった‘白ハットと’黒ハットが姿をみせた。 「無理だ無理だ無理むり~」黒ハットがにやりとしながら言った。 「そんなことない!」今度は白ハットだ。 「お前が長方形の箱に乗れるものか!ケケケッ」 「お前は、他の木とは違うんだ、できそこないさ」 「頑張れば乗れるさ!チチチッ!」 「嘘だ、もう皆とはぐれてるケケッ、お前は大人になりそこねたのさ」 白ハットと黒ハットの、いや、少年の心のいい争いが続いた。 どうやら黒ハットに分があるようだ。 「行きたいけど、でも僕は・・・僕はまだ・・」 少年の幹の皮が1枚2枚と剥がれ落ちた。
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